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2010年7月21日 (水)

バブーシュのある家

B1

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あいつとケンカした。
あいつと言っても、もう10年も一緒に暮らしている男。
籍は入れてない。

わたしたちは町外れの中古物件を幸運にも安く譲り受け、
ひっそりと暮らしてる。

小さな庭には、
セージ、ゼラニウム、ローズマリー、ミント、レモングラス……。
数えきれないくらいの種類のハーブが、
10年の歳月を経て、
わっさわっさとあふれんばかりに緑を茂らせながら、
自慢の香りを放って楽しそう。

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B2

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ケンカの原因はどうでもいいこと。
わたしが芸人の小島よしおが好きだと言ったら、
小島の芸は中身がなくて薄っぺらいと、
あいつが反論してきたのがきっかけ。

でも、小島は早稲田大学出身で頭はいい。
少なくとも、あなたよりは、と、さらにわたし。

学歴と芸はまったく関係ない。
じゃあ西川きよし師匠はどうなる?
ああ、おれはどうせ、ばかですよ。

そう言って、あいつは出て行った。

翌日、雑貨屋でモロッコのバブーシュを見つけた。
珍しく男性用もあったので、お揃いで買う。

あいつにと買った黒いバブーシュに、

ごめんね、
オッパッピー。
ラスタピーアより。

と、メモと摘んだローズマリーを差し込んで、
わたしは友だちと飲みに出かけた。

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B3

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ほろ良い気分で玄関の扉を開けると、
ベレー帽をかぶったあいつが黒いバブーシュを履いて、

なんのいみもない。
なんのいみもない。

と言いながら、廊下を行進して出迎えてくれた。

なんのいみもない。
なんのいみもない。

手は指先までぴんと伸ばして、
文句のつけようのないしっかりとした行進だった。

わたしも自分の白いバブーシュを履いて、
あいつの後ろに続き、
リビングに向かって行進する。

なんのいみもない。
なんのいみもない。

ハイ、ズイズイズイ〜

調子に乗ってパンツ一丁になろうとしたので、
それはやめてと、
笑いながら抱きついた。

ローズマリーのにおいがした。

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B4

※この物語は、はむちゃんが画像を見て勝手に作ったフィクションです。

【写真解説】

1.大好きな庭いじりにブリキのじょうろ
店主は使わなくなったブリキのじょうろを、庭に飾っているんだって。
それだけで心が豊かになりますよね。

2.3.モロッコのバブーシュ
羊の皮でひとつひとつハンドメイドされたスリッパ。
スリッパ特有のパタパタパタ……という音がしないのは、
それぐらい足の裏に馴染むから。
画像の黒は、男性用にも柄がほしいというお客様のリクエストに応えて入荷したもの。
もちろん、無地もあります。
履くほどに馴染むし、何年も使えるすぐれもののバブーシュ。
新築のお祝いに買われたお客様もいらっしゃいます。

4.わっさわさのハーブ
10年前にぶびんがを作ったときに花壇も作ってもらい、
店主が何度も花屋さんに出向いて、土作りをしていきました。

オープン間近、自宅のハーブを引っこ抜いて、
ぶびんがの花壇に挿していき、
現在、10年の歳月を経てぐんぐん育ち、
こんなにわっさわさになりました。

お店は西日が強いので、ハーブ以外は枯れてなくなってしまう。
強いハーブは手入れがいらず、増やすのも簡単だし、
ちぎってハーブティーに出来るのもいい。

ちなみに、
「店内の陳列と同じで、
ハーブの植えかたも凸凹していて、
ひと目では見られない、
宝ものを探すような植えかたが好き」と店主。

雨上がりはハーブの香りが辺り一面に立ちこめるぶびんが。
お客様が庭を見て、
気持ち良さそうな顔になる瞬間が好きだと言っていました。

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